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個人的妄想倉庫×運命準備委員会
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 「彗星」密月&……
2007年03月02日 (金) | 編集 |
第0回プライベートリアクション
No.P×OXXO1 担当:Sie

「彗星のように」

(このプライベートリアクションは、以下の行動選択肢を選ばれた方の全てに送られています)

■プラリアを読む

――――――――
 夕暮れの校舎。廊下の曲がり角、階段の踊り場。少しずつ遠のいていく、生徒達の声。

 ――誰しも思うことがある。
 まさか自分が、と。

「どいて!!」

 誰しも、自分自身が事故にあう事を想定して生きてはいない、という事に、まさか学内の、歩きなれた廊下で気付くとは。
 『そのとき』腕密月(かいな・みつづき)の脳裏を過ぎったのはそんなこと。
 真っ先に考えたのは、自分がどけば、勢いづいたまま階段を――落下するように降りてきた少女が、一体何処へぶつかるのかということで、それが自分で、ぶつかれば倒れるということを考えるより先に、彼女を『庇おう』とした。それだけのこと。

 考えてみれば、彼女の動きは見事なまでに美しく滑らかで、むしろ腕が何をしようと、『そこを離れる』以上に効果的な手助けなど、ひとつも無かったのだけれど。

「きゃ」

 どん、とぶつかる質量と、小さな金属音。耳だけで、落ちて、跳ねて、何処かへ何かが滑っていった――そのことに気付くが、ひとまず倒れた際に打った腰が痛い。

「ごめんなさい――大丈夫?!」

 ばっと身を翻して立ち上がる、少女は光線のようだ。
 凛々しいほどに力のある瞳。
 明るい表情は、力強い生命力に溢れている。草食獣の身軽さとしなやかさ。くるくると動く大きな瞳も、そんな印象だ、と、腕は目を細める。
 ――眩しい。

「ヘイキ。怪我、無い?」

 おかしな痛みは無い。
 腰を上げ、小首を傾げて見せると、少女は心底安堵した様子で胸をなでおろした。

「よかったぁああ……。
 あ、ごめんね、人待たせてるの!」

 小さく頷いて、こちらは大丈夫だから気にしないでいい、と、短く伝える。
 かめへん。
 言うと、自然に微笑めた。
 彼女が大きく頭を下げる。
 ばっと翻る長い髪。
 申し訳無さそうに向けた視線は、直ぐにまっすぐ――彼女が向うべき『前』に向けられた。
 駆けていく後姿は、どこまでもしなやかだ。

「……」

 見えなくなるまで見送って、先ほど『落ちた』ものに視線をやる。
 悪い気持ちは微塵も無かった。
 ただ、夏の日に、ひとしずくの冷水に触れたような、優しい風に吹かれたような、そんな気持ちで。

 手に取る。
 何の変哲も、そしてふちも無い、眼鏡。

 ――彼女が気付かなくて良かった。
 気付いていたら、きっと気に病んだだろう。レンズが割れている。

(レンズ越しに世界を見るのは、諦めろ、っちゅーことかな)

 壊れてしまう、気はしていた。
 盾はいつか壊れるものだ。剣はいつか、鞘から抜かねばならない。今がそのときだと、告げられたようなざわめきが、胸に起こる。
 波のように、風のように。

 夕暮れの校舎。廊下の曲がり角、階段の踊り場。
 生徒達の声は、遠のいて聞こえない。

 はじまりは、いつも唐突だと、光の中に知る。

――――――――
□PLより:
 唐突に書き始めてしまったプラリア、第二段。
 女の子PCさんは、描いていてとても楽しいです。
 このとき(ゲーム開始前)は密月、眼鏡かけてたんですね。今思い出した。
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