個人的妄想倉庫×運命準備委員会
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 「崩落」あまね+迅くん
2007年03月03日 (土) | 編集 |
No.P×OXX23 担当:Sie
「崩れ落ちるように」
(このプライベートリアクションは、以下の行動選択肢を選ばれた方の全てに送られています)

■プラリアを読む

※ちょっとだけ【BL】っぽいです(肉体関係があるとかないとか、そんな示唆だけ)。

――――――――
 無くていいんだ
 何も、無くても

 その日は、酷く暖かだった。
 数日前まで冷え込んで、馬鹿みたいに冬服の準備をしたって言うのに、そんな時に限って次の日は暖かい。春みたいな日差し。
 適当に見繕ったジャケットの上着を脱いで、穂積あまね(ほづみ・-)は日陰を選んでベンチに座る。いつもの場所。缶コーヒーのプルタブを開けようとして……そのまま横に置いた。
 馬鹿らしい。
 何もかも。
「痛て……」
 自分で選んだ道を、あまねは思う。
 選んだはずなのに、時折感じる――何か、抜け落ちてしまったかのような感覚。
 目を閉じて。寝不足の頭を何処に置いた物か――逡巡したあまねの耳に、かさりと、落ち葉を踏みしめる音がした。
 日を避けて置かれた、少し奥まった場所。
 こんな場所まで足を伸ばすのは、よほどの物好きか、それとも。
「……」
 唇の形だけで、その名を呼ぶ。
 ジン。十河、迅(そごう・じん)。日の光に、金の髪が透けて光る。
 だるかった。
 全身に、重い何かがこごっている。
 辛うじて、何時もどおりに体を起こして、すらりとした手足に目をやる。
 見慣れた姿。
 学生服の下、どこに紋章があるのか。優等生の形をした体が、どんな風に男を抱くのか、そんなことまで克明に思い出せる、馴染んだ――けれど、一度も重ねたことのない、体。
 目を、閉じて。
「……ジン」
 もう一度、名を呼ぶ。

 崩れ落ちてしまいそうだった。

 だから彼の名を、呼ぶのは躊躇われた、けれど。
 口に、してしまっていた。そのことを。戸惑う。
 だから、目を閉じた。
 迅は。彼は、自分に侵入したりしない、という、根拠の無い、本能的な安堵。だからこそ、の、不安。

 彼はあまねとの距離を保つ。暫くの思案のあと――そっと、何も言わずに。その傍らに腰を下ろして、あまねの様子を見る。
 と、あまねが、既に熱を失った、ぬるい缶コーヒーを、迅の方へ押しやる。こんなものでは、効かないと、分かって、いる。
「……眠い、のか?」
 少しだけ首をかしげて問う迅に、こくりと、小さく頷いて、あまねは言いよどむ。
「……」

 ――怖いんだ。

「……ああ……」
 言えない、と、あまねは思う。
 これは、口に出してはいけないこと。
 口に出したら、たぶん、壊れる。
 何が、とは決め付けず、あまねは目を閉じる。閉じて、迅が側から離れないことに安堵する、自分を、少しだけなじる。
 プルタブを、開ける音が聞こえた。
「眠りたいのか?」
 こくりと。
 あまねは頷く。
 意識と思考はぼんやりとしていて、それが、「考えること」が、唯一の得手であるのに、と、この失態をなじる。なじる力も、段々萎えてくる。
「……眠い、んだ」
「……」
 短い、沈黙が落ちる。
 それは静かで、あまねの体には心地よいものだった。
 静かに目を閉じると、何故かそこに、迅の肩があって。
「暖かい」
「こっちに頭をずらせ」
「ん」
 言われるままに、移動する。やわらかな感触。はて。自分は今、どこに居たんだっけか――そう考え出して、まぁいいか、と、結論付けるほどには、そこは心地よかった。
 頭を預けて、猫のように体を縮めて。
「……気持ち良い」
 素直な感想を述べる。
 暖かな日差し。うっとおしいと感じた熱が、今は酷く心地よい。風が頬を撫でたのだろうか。髪が持ち上がる感覚がむずがゆい。
「……ジン」
 そういえば、迅が。
「側に……」
 居た、よう、な……――

 その日は、酷く暖かで。
 あまねの思考は、そこから丁度1時間と半分、途切れることになるのだけれど。

――――――――

□PLより
 迅くんの前なら眠るかも知れませんよあのケダモノ! とかいう話題から進展致しました。 膝枕です。ええ。
 弱音を見せられる相手が出来たら、奴はもうちょっと、色々な力が抜けるんでしょうかね。うーん。
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