個人的妄想倉庫×運命準備委員会
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 「郷愁」密月&……
2007年03月02日 (金) | 編集 |
第0回プライベートリアクション
No.P×OXXO5 担当:Sie
「郷愁のように」
(このプライベートリアクションは、以下の行動選択肢を選ばれた方の全てに送られています)

■プラリアを読む
――――――――
 春が来て夏が来て
 何の意味も無く秋が来るのだと

「ミツ」
 夕日が眩しい。
 それ以上に、目の前の少女が眩しい。
 シベリアン・ハスキーのような、青と黒、ヘテロクロミアノの瞳が、少年を射る。
 長く伸ばしたグレーの髪を高く二つに結い、少女はすっくと立つ。何者も恐れずに。
 だから、彼女の口から何が語られても、驚くつもりなんか毛頭無かったのだ。
「ウチも行く」
 ほら、来た。
 瞬くと、じれたように眉間に皺を寄せ、不満げに少女が唸る。
「行くったら行くんだもん。今度はまじめに療養するから。お願い」
 彼女が下げた、大きなかばんを受け取る。
「それを決めるのは、うちとちゃうやろ。くーこ」

 阿蘇谷狗仔(あそがや・くうこ)――彼女と少年――腕密月(かいな・みつづき)は、浅からぬ縁があった。
 前世の、だ。
 無条件に無防備を晒す狗仔に、密月はいつも警鐘を鳴らしてきた。

 ソレは『今』じゃない、と。

「なぁ」
 その頭を、くしゃっと撫でる。
 妹のようにいとしい、幼馴染。
 大きな瞳には涙が浮かんでいて、見捨てられた仔犬のようだ。
「くーこ」
「……」
「前世で何があったんかは、うちには全部分からん。うちが覚えとる記憶と、狗仔が覚えとる記憶がおんなじもんかどうかも、うちが決めることとちゃう。けど」
「けど?」
 仔犬が首をかしげた。
 小さな背丈、揺れる髪。
「うちは、あんたが好きや」
「……ミツ」
「『うち』が、『狗仔』を好きや、言うてる。何べんでも言うてかめへん」
「う」
 何かが溢れた。涙の形で。
 それは澄んだ泉のように、留まることを知らない。
「幼馴染としてとか言うんやろこん畜生めがー! ぅ、ウチのこと、女とも見てぇへんくせにぃ」
「あー……、それはなぁ、でも狗仔、狗仔がばいんばいんのおねいちゃんでも、うち、ホラ」
 ぼたぼたと泣かれて少年は形無しである。
 びしばししばかれて痛そうでもある。
 だがなんだか自業自得って感じ。
「知るかこのホモ!
 不能! やくたたずー!」
 暴言はさらに続く。閲覧できぬ領域まで続く。
「うわ、それ、ごっつキッツいわぁ。つうかむしろホンマやけん堪忍」
「ちょっとは否定しろー?!!!!」

 春が来て夏が来て
 何の意味も無く秋が来るのだと

「くー」
「なに」
「くーこは可愛いなぁ」
「……嘘つき」

 夕日が沈む。
 ひとしきり暴れた少女と、ひとしきりなだめた少年は、川べりに並んでしゃがんだ。

「ウチ、分かっとるんよ。
 ミツの前が好きやったん。そのこと、たぶんきっと、ずうっと忘れられへん。けど、それを『今』のミツに押し付けるんは、ウチのわがままやろ。それは分かっとるんよ。
 でも、好きなんはしゃあないわ」
「……ごめん」
「謝りなや。謝られてもうれしゅうないわ。
 それよりミツは、女の子に近づいたらアカン。期待させるようなこともしたらアカンで。かわいそうや」
「う、うーん」
「分からへんやっちゃなぁ。いつか刺されるで」
「さよか」
「ほんまやで。あんたアカン」
「うーん」
「阿呆」

 春が来て夏が来て
 秋が来ることに、何か意味があるとしたら

 それは
 君に出会えたことだと思うのに

 全ては移ろいで――源流を隠すかのようで。

――――――――

□PLより:
 これはもう、番外中の番外ですね。
 密月をエントリーする前、思い描いていたPCと、密月と会わせてみた、そんな感じです。
 狗仔の設定は、そのまんま、ではないですが、ある程度、あまねに引き継がれている……のかな、と、PLはちょっと思いますけれど(密月との関係とか、呼び方とか)。
 この辺も、自己満足の域を出ませんね(苦笑)。
 すみません。

 この密は、自分が同性愛の気質を持っていることを自覚していて、あとちょっと、お兄さんっぽいですね。
 ゲーム開始前、リアを貰う前に書いたものだと思います。
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