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個人的妄想倉庫×運命準備委員会
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 「冬のひとりごと」
2007年03月03日 (土) | 編集 |
No.P×OXX29 担当:Sie
「白い雪のように」
(このプライベートリアクションは、以下の行動選択肢を選ばれた方の全てに送られています)

■プラリアを読む

――――――――
 吐き出す息が白い。
 冬が来て直ぐ、思ったのはあの人の事だった。
 腕密月は、鞄の中の、既に少々形の崩れ始めてしまった、紙袋を思う。落ち着いた――おそらく、彼のスーツに良く似合うであろう、色。柔らかな毛糸はカシミアを含んでいて、皮膚の敏感な友人にも確かめてもらったが、「チクチクしない」とお墨付きの一品だ。
 店員の女性が、「私も、プレゼントに狙っていたんですよ」と、笑ったとき、密月の胸に、ほんの少しだけ誇らしく、ほんの少しだけ後ろめたい気持ちが湧いたものだった。

 おくりものをもって、年を越した。

 クリスマス、という行事に、宗教的な思い入れはない。
 丸いケーキを食べたことがない、というあまねと、丸ごとのケーキにフォークを刺してみたい、とねだった妹のために、カップケーキに毛が生えたような食べ物を作ったのが、さて、何年前だっただろうか。

 おくりものをわたせずに、年を越した。

 それは別に寂しいことではない。贈り物を、冬の寒さから守りたいと思う人が居ることの、何と暖かいことか。密月は、頸に巻くものが得意ではない。何かに括りつけられているようで――拘束されているようで、好きになれないのだ。
 だが、あのひとの。
 かちりとしたスーツと白衣の頸元を、守る何かがあってもいいと。その体を温める、何かがあっても良いと、そう。思って。思って。……想って。
「……あ、雪……」
 ふわりと、甘い色の髪に雪が触れる。ぱちぱちと、炒りたての銀杏に似た瞳を瞬かせて、密月は空を見る。
 まだ、寒い日々が続くのだろうか。

 ――あの人は、寒くないだろうか。

 泣きそうだった。泣きたくはなかった。愛しい気持ちの一粒だって、自分から零したくはなかった。なかった、けれど。
 零れて溢れて、しまいそうで。

 息が、白い。
 密月はぎゅっと、鞄を抱きしめた。
――――――――

□PLより:
 4~5回の日常アクションで、「クリスマスに向けてプレゼントを用意した」「けど渡せず年を越した」ってことをやりました(笑)。
 あほうや……
 バレンタインには渡せると良いんですが。
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